膵臓癌の私が認定ヨーガ療法士になりました

 

 私は37歳の時、膵臓癌となり手術を受けましたが、術後6か月の検査で、肝臓への転移がわかりました。この時「死」と向き合い「生きる」ということの意味を考えるようになりました。化学療法を行い、癌は縮小したものの、副作用が強く治療を中止することになりました。肝臓に転移した時から様々な代替療法を行っていましたが、家族から心理療法を勧められ、九州大学の心療内科ではヨーガ療法を取り入れているということを知りました。

 

 しかし、体の硬い私は、カッコイイポーズをとるのがヨーガと思っていたので、積極的に動くことはありませんでした。ですが、ヨーガ療法との出会いは突然やってきました。たまたま訪れた自然食品のお店に、ヨーガ療法士養成講座に通い始めたヨーガの先生が教室をされていたのです。

 

 治療を中止してから5か月、化学療法中は腫瘍マーカー値も減少していましたが、少しずつ上昇してきていました。ヨーガを始めるとその月から腫瘍マーカー値は減少したのです。体力がつき、睡眠の質が良くなり、不安な気持ちが安らいでいきました。その訳が知りたくてヨーガ療法を学び始めました。

 

 この時点でも自分がヨーガ療法士になるなんて思ってもいませんでしたが、学んでいくうちに、私のような病の方に届けることが出来るなら、という思いが大きくなっていきました。治療中に、もしもこの命がもう少し続くのなら、私のような方のために生きようと思っていたので、ヨーガ療法を伝えるという方法で実践していきたいと思っています。

 

認定ヨーガ療法士

柴野みどり